Concept

例えばこんな旅はいかがでしょう。「温泉街の住民になってみる」。
毎日、湯桶を抱えて共同浴場に通う生活。仕事して、温泉入って、また仕事して。ランチにカレーを食べて、カフェでのんびり考えごとして、また温泉入って、夕方から餃子をつまみにビール飲んで、レバニラ炒め食べて、締めにラーメン食べて、また温泉入って寝て…。

例えば「開高健が1ヶ月滞在した山小屋で暮らしてみる」
開高健の時代はランプの山小屋だけど、今は電気もネットも来ていて、温泉もある快適な宿で暮らす生活。天気のいい日は山に登って、気が向いたら釣りでもして、雨の日は読書して。夕食は開高健も食べたチャーハン、朝ごはんはおにぎり、たまにパン。夜は開高気取りで焼酎かウィスキーをロックかな。

例えば「自遊人のオフィスの隣に暮らしみる」
自遊人のオフィスは源泉掛け流しの大露天風呂付き。ボナサウナとスチームサウナ、さらに薪サウナもあって、水風呂も冷やした温泉水という超贅沢な環境。併設する9室のゲストルームにはなんと源泉掛け流しの露天風呂が付いていて「露付き」客室が1人1泊8,800円〜! こんなところで1週間仕事したら、いいアイデア出ちゃうだろうなぁ。

松本、尾瀬、南魚沼。「10 Stories STAY」は3箇所でスタートします。
単に安い宿としてビジネス利用としてほしくないので「会員制」にしました。年会費は10,000円。3つの施設に何度でもご宿泊いただけます。

サービスコンセプト。「サービスしません」。

快適性を求めるなら「アパホテル」のほうがおすすめです。コスパなら「東急ステイ」が最高です。ホテルマンの質を求めるなら「帝国ホテル」へどうぞ。

「10 Stories STAY」は1泊8800円から宿泊できる、リーズナブルな宿泊施設ですが、ビジネス特化型ホテルと競うつもりも、コスパを極めるつもりも、おもてなしを追求するつもりも、まったくありません。
会員制の宿泊施設ですが、いわゆるセレブのための「会員制サロン」でもありません。ここには黒服のサーヴァントはいません。基本的にすべてセルフサービス。写真撮影禁止とかビジネス会話禁止とか、面倒なルールもありません。
もっと気軽に、もっと楽しく、もっとリーズナブルに。

「松本」の部屋はかなり狭いです。壁も薄いです。
「尾瀬」は大自然の中にあるので部屋に虫が侵入してくるもしれません。
「南魚沼」は露天風呂付き客室ですが、旅館のおもてなしは一切ありません。
目指したのは、自由に過ごせる空間と、何日もいられる手頃な料金、仕事をするスペース。

1泊1人8,800円〜。
でも単に安い宿泊施設にすると「荒れる」ことが定説ですし、逆に過剰なサービス要求が出てきてしまうのが残念ながら世の常。「枕の種類がない」「製氷機がない」「ズボンプレッサーがない」「アメニティーがない」「夜鳴きそばがない」……。

「荒れる」ということは、あんまりお友達になりたくない人が宿泊者に混じっている可能性があります。
お互いが気持ちよく利用するために、安心して過ごすために、会員登録には本人確認書類をご提出いただきます。偽名での登録はできません。当日、いきなり会員になることもできません。

なので間違ってもGoogleなどのレビューに「コスパが悪い」とか「壁が薄い」とか書かないでください。凹みます。私たちはできる限りリーズナブルに、快適に過ごしていただこうと思っています。お客様との相互扶助で成り立つ施設です。当然ながらこの文章を読んで「高飛車な施設だ」「むかつく」と感じた方は会員登録しないでください。施設内の雰囲気が荒れるのが、私たちにとってもっとも残念なことなのです。